毎年一月の末から3週間ほどアメリカ、アリゾナ州のツーソンで鉱物から化石、宝石の世界最大展示会が行われる。
その歴史は、半世紀前にいくつかの鉱物標本業者が市内の中学校の体育館に集まって鉱物ショーを開催したことに始まるという。 私が最初にツーソンに行ったのは21年まえ、鉱物博士とも言うべき亡くなった父と一緒であった。 その時は会場も十会場ぐらいだった。それが今では町の北から南まで30会場ぐらいになっている。主催者もいくつもの団体があり、町のあちらこちらでショーが開かれている。 最初のツーソンは私が異業種からこの宝石業界に入り宝石の勉強を1年間し終えたばかりだった。 そしてツーソンの空港に降り立ったときは、 こんなサボテンだらけの田舎の町でジュエリーショーがあるのか疑ったものである。 しかし翌日メイン会場で入場許可書を取り その会場に入ったとたん、いたる所に宝石(カットされた宝石や製品)を並べているではないか。聞くとホテル(4階建て)すべてが会場になっていると言う。 大きなメイン会場には百社を越す業者があらゆる宝石を陳列し、そして各部屋もほとんどが持ち込んだ宝石を並べている。もちろん廊下にも所狭しと、並べバイヤーと値段のやり取りが行われていた。 この会場でも、じっくり見て回ればゆうに一日はかかる。特にメイン会場はジュエリーが主だったこともその華やかさは今も記憶に焼きついている。 出品業者はアメリカ人、そして南米ブラジル、コロンビア、メキシコ、タイ、インド、香港、中国、イスラエルそしてヨーロッパ人まさに世界の人種のルツボだと思った。 最初の一日目は父の後をくっついて歩いていたが、二日目一人で業者と値段交渉して買いたくなった。 もちろん商品には値段は付けられていない。一日目の感じでは業者によって同じような商品でも値段は様々だな感じていた。どれが本当の値段か、かいもく解らない。ならば買うまでだ。買わなければ本当の値段(相場)を知ることが出来ないと思った。 高いか安いかは買った本人が決めるのだ。とにかく何件かのブースを廻り勉強したての知識を駆使して、吸い込まれるような真っ赤なルビーを買った。 しかし父からすればなんとも危なっかしい買い付けに見えただろう。 その父との買いつけはそれが最初で最後。 大好きなツーソン、鉱物への思いを胸に翌年他界した。こんな未熟な私を残し、さぞ後が心配だったろう。ツーソンの続きはまた次回に。
by shikanko
| 2006-11-25 22:06
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